デンタルニュース

親知らずのはなし

お口のなかに「おやしらず」は何本ありますか?
親知らずは智歯ともよばれ、英語でwisdom teethと言います。親も知らない、気づかないような時期にゆっくりと生えてくるのでこんな名前になったとか。

お口の一番奥に生えてくるので、第三番目の大臼歯ということになります。
上下左右、それぞれに4本生える可能性があります。
全部が生えてくる人もいれば、数本しか生えてこない方、またまっすぐに生える人もいれば、斜めに生えてくる人、一部しか見えない人など状況は様々です。


子供の歯から大人の歯に生え替わるときには、ずいぶんと喜ばれたりしたものですが、親知らずに関しては反応が全く違いますね。
みんな顔をしかめたり、既にいやな経験をされたのを話してくれる方もいます。

現代人はあごが細くなって歯が生えるスペースがなくなったから、進化の段階で親知らずが4本ある人もいればもともと無い人もいるし、生えてこないケースもある、なんてこともいわれますね。

いずれにせよ本数の話より、まっすぐ生えていないという状況はトラブルがおきやすく、やっかいな事になっている方が多いのが現状です。

骨から歯が生えきるまでは歯が成長しようとするので、勢いがあるために隣の歯を押してきたり、歯並びが変わった気がする、と話される方もよくいます。

歯が歯ぐきから顔を出した途端、歯の周りにポケットが存在しますのでお手入れが必要になってきますし、その結果次第で歯ぐきが腫れてしまい、ひどい痛みを経験する方も少なくありません。

なんだか憎らしい存在のようにも思えてきますが、生えてくるとケアが難しくなるのは確かですし、その結果親知らずを虫歯にしてしまったり、最悪の結果は大切なその前の歯を虫歯にしてしまうことです。

まえから7番目の歯までは、噛むためにとても大切な働きをしています。
そのため親知らずのせいで大事な大臼歯を失うことは避けたいのです。

歯磨きが難しい上あごの親知らずや、斜めに生えている親知らずなどがある場合はしっかりと磨いて共存の道を選ぶか、リスクを減らすためにあえて抜歯をえらぶのも一つだと思います。

いずれにしても今のお口の中に親知らずがあるのかどうか、どんなふうに生えてきているのか把握できていない人も少なくないので、よく観察してみましょう。