2015-04

佐藤尚弘


海外の学会に於いて発表している佐藤先生


著書「Dr.佐藤とリチャードの歯科英語講座」

経歴
1979年(昭和54年)3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
1983年(昭和58年)3月 東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了 歯学博士
1985年(昭和60年)4月 東京医科歯科大学歯学部第二補綴科助手
1990年(平成2年)9月 文部省在外研究員(オーストラリア・アデレード大学、スイス・チューリッヒ大学)
1992年(平成4年)4月 東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校 非常勤講師併任
2005年(平成17年)6月30日 東京医科歯科大学退職
2005年(平成17年)7月1日 医療法人社団寿幸会 笠原歯科 六本木 院長就任

2015-04-20 | Posted in  Comments Closed 

 

歯を強くする

歯を丈夫にするには、運動をして体を鍛えるのと同じようにはいきません。
では、歯を強く丈夫にすることはできないのでしょうか?
歯を強くする

★子供の歯
乳歯が生える乳幼児から永久歯が生えそろう15歳くらいまでの子供は、カルシウムを摂取することで強い歯を作ることができます。
血液中のカルシウム濃度は一定に保たれていて、不足状態が続くと骨や歯からカルシウムが溶けだし、歯の質の低下や骨の発育不良につながります。
カルシウムは慢性的に不足気味なので、胎児に乳歯や永久歯の芽ができる妊娠期・乳歯が生える乳幼児・永久歯の生えそろう前の子供は、特にカルシウム摂取を心がけるようにしましょう。
牛乳・チーズなどの乳製品・ひじき・小魚などに多くのカルシウムが含まれています。
歯が生える前にカルシウムを摂るというのがポイントです。

★大人の歯
すでに生えてしまっている歯の場合、子供の歯を強くする方法のように、カルシウムをたくさん摂っても、子供ほど劇的に歯を強くする効果はありません。
大人の場合は、歯の表面から直接カルシウムを取り込む(再石灰化)ことで歯を強くすることができ、歯からカルシウムが溶けだす(脱灰)のをくい止めて歯を維持するということが、歯を丈夫にすることになります。
そのためにはフッ素が有効です。
フッ素を食品から摂取したり歯に塗布することで、フッ素が歯の表面をコートし、歯からカルシウムが溶け出すのを防ぎ(脱灰の防止)、また唾液中のフッ素とカルシウムが歯の表面から取り込まれて歯が修復され(再石灰化)、強い歯を作ることができます。フッ素を上手に摂取すれば歯を強くする効果が高くなります。

フッ素は、緑茶・海草・牛肉・リンゴなど身近な食品に含まれています。
フッ素配合の歯磨き粉も市販されていますので、上手に活用することをおすすめします。
また、笠原歯科で高濃度のフッ素を定期的に塗布することもとても効果的です。
定期検診に行って、歯をきれいにした後にフッ素を塗布してもらえば、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療にもつながり、強い歯を維持することもラクになります。
もちろん、大人の歯だけではなく子供の歯にフッ素を塗布することも大切ですし、大人がカルシウムを摂取することも大切なことです。

2015-04-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯周病で早産の危険が高まる?

★歯周病で早産の危険が高まる
妊娠中は、おなかの赤ちゃんへの麻酔やレントゲンの影響が心配で、歯医者に行かずに我慢してしまう方もいるかもしれません。
しかし、最近では、妊婦の歯周病は早産(妊娠22~36週での出産)を促してしまい、低体重の赤ちゃんが生まれる恐れがあることが研究により分かってきました。
歯周病の人とそうでない人を比べた場合、早産のリスクは、アメリカでは7.5倍、日本でも5倍に高まると言われています。
これは、早産の原因といわれるタバコやアルコール、高齢出産よりもはるかに高い数字となります。

★歯周病とは?
一概に歯周病といっても、歯ぐきや歯を支えている骨などに炎症が起きる病気の総称のことです。
歯と歯ぐきの間に溜まったプラーク(歯垢)や歯石の中にいる歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支える組織を破壊していき、最終的に歯を支える骨を溶かし、歯が抜けてしまいます。
歯周病はサイレントディシーズ(静かなる病気)と呼ばれるほど症状に気づきにくく、歯を失う大きな原因となっています。
歯周病患者は、20代女性では重症な方はあまりいませんが、30歳以上になると急激に増え始めます。
歯周病で早産
★なぜ歯周病で早産するの?
研究により、歯周病と早産のメカニズムが少しずつ解明されています。
それは、出産のメカニズムと一致しています。
陣痛は、子宮収縮作用のあるプロスタグランディンという物質の分泌が高まって起きます。
このプロスタグランディンの分泌を促すのが、サイトカイン。これは炎症によって増える生理活性物質です。
歯周病は歯周病菌によって炎症を起こしている状態です。歯の周りの炎症によりサイトカインが増加し、プロスタグランディンが分泌され、子宮が収縮し早産となるのです。
実際、歯周病の程度が重くなるにつれ、血中のサイトカインが増え、サイトカイン数値の高い人ほど出産時期が早くなっていることも解っています。

★妊娠中でも怖がらずに歯医者へ
妊娠をすると歯がボロボロになるという噂がありますが、実際そんなことはありません。
つわりで気持ち悪く歯が磨けなくなってしまったりして、むし歯や歯周病になる方が多いためだと考えられます。
赤ちゃんが生まれてからは、ますますお母さんの時間が無くなり歯医者に来にくくなってしまいます。
歯茎が腫れたり、違和感を感じたりしたら、ためらわずすぐに六本木笠原歯科で受診してください。
また、妊娠中でもPMTCで歯をクリーニングし、健康な歯を保つよう心がけましょう。

2015-04-02 | Posted in デンタルニュースComments Closed