2016-01
歯がしみるのはなぜでしょう
歯がしみるのはなぜでしょう
お口の悩みで意外と少なくないのは歯がしみるというトラブル。
歯が痛いと感じる人もいれば、しみると感じる人もいるようです。
どんなときにしみると感じるのでしょうか。
たとえば冷たいものを口にした時。アイスクリームや冷たいお水などの飲み物。
ときどき歯ブラシの毛先が当たるだけでそう感じることもあります。
心配してお口をのぞいてみてもいつもとなんら変わらないような気がして歯科医院を訪れる方もいらっしゃいます。
夏に冷たいものを多く口にしたり、冬にスキー場で感じた!なんていう人もいます。
この症状は知覚過敏と呼んでいます。
なぜ知覚過敏が起こるのでしょうか。
歯の表面は身体の組織の中で最も硬いエナメルというもので覆われています。
歯を見て目で確認できる白い表面部分がエナメル質です。
その硬いエナメル質はその下にある象牙質という比較的柔らかい層を保護しています。
象牙質と呼ばれる組織の中には象牙細管という管があり、とても細い管の中は液体が存在しています。
この象牙細管中の液に、歯の神経が細く伸びて浮遊しています。
人の体温はおおよそ36度から37度ほどでお口の中も同じくらいの温度になっています。
この口の中に冷たい液体や、時には冷たい空気が入り込むことで温度差が生じるのです。
その時象牙細管の中が温度差により縮んで体積の変化を起こし、浮遊している神経の管が動きを感じて、しみるという感覚を起こすというわけなのです。
要するにお口の中の急激な温度変化によって、しみるという感覚が起こるということなのですね。
知覚過敏の原因は何でしょうか。
歯磨きの時の力が強くて歯のエナメル質が削れていると、薄くなったエナメル質が敏感な象牙質を守り切れずにしみる感じがするのですね。
適正な圧で正しい歯磨きができるよう、歯科医院で指導を受けましょう。
開いた歯ブラシでは歯ぐきに傷を与えたり、力のコントロールができず歯の削れる原因にもなります。
また、くいしばる癖のあるかたは歯ぎしりをすると歯軋りやくいしばり、寝ているうちに歯ぎしりや、くいしばりをしていると次第に歯がすり減っていきます。歯がすり減ってしみるように感じることがあります。
むし歯はエナメル質から次第に象牙質に進んでいきますので神経近くに達するとしみたり痛みとして感じます。
歯ぐきの病気になると歯を支える骨が薄くなってきます。歯が長く感じてきたら根が出てきている証拠。
根っこは普段歯茎で守られている場所なので、丸裸になった歯はしみやすくなります。
傷を受けたエナメル質が割れたり削れたりしたとき、神経に温度刺激が伝わって痛みやしみるという感覚になります。
しみる症状を防ぎたい
上にあげた知覚過敏の原因のうち、もっとも一般的に多いのは間違った歯磨きによるものです。
知覚過敏になりたくないと思いながら、自分で知覚過敏にしてしまっているという悲しい状況です。
粒の入った歯磨き粉は特に歯が削れやすくなりますし、大胆にゴシゴシ汚れ落としをするような磨き方では毛先が広がるだけで汚れは落ちにくく、周囲を傷つけるだけです。
一時的ではありますが、知覚過敏用の歯磨きを使うと症状が落ち着きます。
根本的な解決にはなっていませんので検診時に相談をすることをお勧めします。
刺激に耐えられないほどの知覚過敏になっている場合には歯科医院で治療を受け、正しいブラッシングを身につけることで回復できます。
毎回刺激を与え続けていると神経がダメージを受けてしまったり、広がった虫歯を放置することなどにつながってしまいますので、違和感を感じた時点が受診時だと考え、六本木の笠原歯科へご相談ください。
お口のにおい、気になりませんか
なかなかデリケートで話題にはなりにくいけれど、気にしている人が少なくないのがこのお口のにおいの問題です。
とても気になるけど、口臭は自分ではわかりにいので実は悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
心療内科に、口臭が気になって仕方がないという方が受診するケースもあるようです。
自信を持って過ごせるように、口臭の原因、その対策をご紹介しましょう。
口臭の原因
玉ねぎ、ニンニク、たばこやお酒、コーヒーなどにおいの強い食べ物や、嗜好品を口にした時に発生する一時的なもの。
口腔内の病気、虫歯や歯周病、または風邪をひいたときや鼻炎など鼻の病気、胃腸の病気などが原因となっているもの。
生理的口臭と呼んでいる、起床時・空腹時など唾液の分泌の量が少ないときに口腔内の細菌が増えて原因となるもの。
心理的に実際に臭いはないのに、本人だけ口臭が気になっている状態。
以上のことが口臭の主な原因です。
においのない息というのはなかなか難しい条件で、体内の複数の細菌たちが、複雑に混じり合ったにおいを発生させることで起こるのが口臭なんです。
おもに、嫌気性菌と呼ばれるプラークの中に潜んでいる細菌は、クサヤと同じくらいのにおいの強さがあります。
他にも好気性菌という空気と仲の良い細菌もいて、お口を開けてしまう癖のある人や、口を閉じることができないときなどにもにおいを発することがあります。
このような細菌の数を管理できる特徴的な部位であるお口をケアをしていきましょう。
それだけでも一時的にはエチケットになります。
ただ、本格的な対策をするには歯垢がたまる場所を知って、きちんとしたお手入れをしていきましょう。
ドクターや歯科衛生士による本格的なクリーニングやブラッシング指導で、口臭の大きな原因を取り除いて自信を持って生活したいものですね。
噛むことの大切さ
噛むことの大切さ
毎日の食事。テレビを見ながら、もしくはパソコンの画面とにらめっこしながら済ましている方も少なくはない時代になっています。
時間がないからといって、食事の時間を削ったり、極力短時間で済むようにするしかないという方もいるようです。
食べ物をいただくとき、行っている「かむ」ということにスポットを当ててみましょう。
さて、この「かむ」という動作。「咬む」・「噛む」とも書き、「咀嚼」(そしゃく)と呼ばれます。
一口30回は噛みましょうとお話しすることもあるのですが、しっかりと噛んで食事をしている人はどんどん減ってきていると言われています。
時間がないと言って、早食いや、あまり咬まずに済むような柔らかいものを選んで食べたりするとどのようなことが起こるのでしょうか。
時は、弥生時代、このように飽食の時代でもなく、食べ物を柔らかく加工するという技術も今ほどは発達していませんね。
そのころの「噛む」回数はなんと現代の6倍以上といいます。
今は当時のたった6分の1程度しか咬んでいないということですね。
あまり噛まなくても高い栄養が取れるような食品が増えていますが、はたして栄養が取れれば、多く噛まなくてもいいのでしょうか。
実は多く噛まない現代の生活環境は身体に大きな影響があるのです。
噛まない生活と身体の関係
しっかり噛むことをしているあごの骨はとても発達します。
昔の人々の口の中は今では先天的に欠如している子供も多い、親知らずがしっかりきれいに生えていたものでした。
それはあごの骨が幼少期にしっかりと噛むことで成長し、大人の歯がきちんと生えるスペースがあったことを意味しています。
現代の子供はあごが小さく、歯が生えるスペースがないので、歯並びが悪くなったり、咬み合わせが悪くなるなどのトラブルがあるのです。
顎が細いほうが美しいとか、審美的なブームなどがあるのも、かなり怖い部分だと言えるのです。
そのほかにはしっかり噛むお口には沢山の唾液が分泌します。
唾液は天然の抗生物質などというほど、体内の健康維持を助ける働きがあります。
たとえば、細菌が育つのを防いだり、体内に入り込む有毒なものを薄めたり、癌を防ぐとも言われているのです。
しっかり噛んで、このように身体に有効な無料のお薬を沢山分泌して、いつまでも元気でいたいですよね。
沢山噛むと賢くなるとも、 昔から言われたものです。
それは噛むと脳の細胞が活性化されて働きが良くなるということなのです。
しっかり噛んであごの周りの筋肉をたくさん使えば頭の中も元気になるのです。
老人性痴呆を防く効果があるともいわれているのですよ。
このようにちょっと気をつけて多く噛んでいけば、健康につながります。
忙しいときほど、ちょっと多めに噛んでみて、ストレスを解消し、脳をすっきりさせればお仕事の効率も上がってきます。
いらいらした時に歯ごたえのあるものをキイっと噛むイメージがありませんか。
新鮮な野菜、噛み応えのある食べ物をちょっと取り入れてバランスの良い食事から、健康を手に入れましょう。
時々、六本木の笠原歯科での検診も忘れないでくださいね。