2016-02
デンタルフロスでお手入れ
デンタルフロスでお手入れをしましょう
歯磨きをするとき、歯ブラシ一本しか使いません。という方はこのところ少なくなってきています。
歯科医療従事者としてはとても嬉しいことなのですが、それでも正しい使い方がわからないとか、自分に合う道具がいまいちわからないままいらっしゃる方も少なくありません。
今回はデンタルフロスに焦点を当ててお話していきましょう。
歯ブラシ以外のお掃除用具のことを補助用具と呼んでいます。
特にアメリカやフィンランドなど歯科予防の先進国と呼ばれる国では、デンタルフロスと歯ブラシをセットで使用しているケースが習慣になっています。
デンタルフロスは、歯と歯の狭い空間を掃除する為に作られている細い糸のことです。
これを使うと、歯ブラシでは届かない歯と歯の狭い空間を効果的に掃除することができるのです。
デンタルフロスにも種類があります
デンタルフロスといっても実は多くの種類があります。
まずはその形状として、ハンドルがついていて握りやすく、お口の中に入れやすいメリットがあります。
そのハンドルにもいくつもタイプがあります。
初めての方や子供、手先を動かしにくい方がこのハンドルタイプを使ってみると、フロスを使うことに慣れてくるでしょう。
ただ、ハンドルタイプの場合は使用する糸は交換できないのでマメに新しいものに交換する必要があるため、コストがかかるかも知れません。
他にはお裁縫の糸のように巻いて売られているものがあります。
これは毎回使い捨てになりますが、衛生的であるという点でとても優れています。
フロスの使い方に慣れてくれば、こちらの方がコスト面でもオススメできます。
デンタルフロスの糸、そのものにも用途に分けて様々な種類があるのでご紹介していきましょう。
≪ワックスタイプ、ノンワックスタイプ≫
ワックスタイプは、糸の繊維自体にワックス加工がしてあります。使用するときに糸がほつれにくくなっています。
併せてワックスのおかげで歯の間を滑らかに通過し、引っかかりが少ないので初心者にお勧めのタイプです。
ノンワックスタイプは、その反対にワックス加工がしていないので、狭い歯の間で糸が広がりやすい特徴があります。
その分、汚れを多く取り除くことができます。
しかし、歯と歯の間にわたる詰め物やむし歯がある場合には、引っ掛かりが多く使いにくくなってしまいます。
また、歯並びによって歯の間隔が狭すぎる場合にも糸が広がりやすいため、通しやすいというメリットがあります。
≪テープタイプ≫
他に形状が糸ではないものとしてテープタイプと呼ばれるものがあります。
テープ状のフロスは糸の形状ではなく、平べったいテープのような形をしているものです。
糸に比べて、一度に多くの範囲を磨くことができるのが特徴となっています。
硬いものではなく、柔らかく作られているので被せ物や、治療後特に必要とされるケースにドクターから勧められることがあるかもしれません。
≪スーパーフロス≫
他にはスーパーフロスタイプとよばれる便利なフロスもあります。
少々コストはかかるのですが、ブリッジがあるかたにはとてもオススメのフロスです。
このフロスは両端がとても細く固めに作られていて、まるでお裁縫のように連結されている隙間から差しこむことができます。
そのため、どうやって磨くのかな?と疑問に思われていたような歯と義歯の床や、ブリッジの支え周辺の手の届かない部分をきれいにすることができます。
サイズもいくつかあるので、自分の隙間に合ったものをえらんでみるとよいでしょう。
正しいデンタルフロスの使い方
巻きで売られているデンタルフロスは使い方をよく知らない方が多いのが事実。
慣れるまでに少々時間がかかりますが、ぜひ覚えてみてください。
容器からフロスをだして、肘くらいまでのながさ40~50 ㎝程度で切りましょう。
諸説ありますが、親指と人差し指で、1.5 ㎝くらい間を開けてフロスを持ちます。
フロスをゆっくり歯と歯の空間に入れて、歯の側面にこすりつけるように糸を2~3 回上下させてみましょう。
大きな動きは歯ぐきを傷つけてしまうので優しく、無理に動かさないようにしましょう。
わからないことがありましたら、六本木の笠原歯科へご相談ください。
歯周病とメタボリック症候群
歯周病とメタボリック症候群、意外な関係をご存知ですか?
テレビや食料品店、でも「メタボ」という文字を見かけない日はありません。
お茶やジュースなど口にするものから、健康診断にもメタボリック専用の検診なども登場しています。
メタボについて詳しくご存じでしょうか。
そもそもメタボリックな状態というのはただの肥満の状態とは違います。
肥満は洋ナシ型とリンゴ型に分けられていて、内臓の周囲を脂肪が取り囲むように付いている状態をリンゴ型肥満と呼んでいます。
とくにウエストが女性で90cm、男性の場合は85cm 以上ある方は気をつけなければなりません。
その脂肪がついている内臓脂肪は高脂血症、肥満症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を招きやすくします。
これらの状態が重なると血液がドロドロになっていき、血管がつまり易くなると言われています。
この様子は動脈硬化と呼ばれていて、脳卒中や心臓病など命にかかわる病気につながっており、大変危険な状態だとして、メタボリックシンドロームと呼んでいます。
メタボについて、理解が深まったところで歯周病と関係があるということについて
説明していきましょう。
歯周病は口の中の細菌が歯茎に炎症を起こし、最終的にあごの骨の歯槽骨という部分を溶かします。
土台が溶かされて支えの無くなった歯は結果抜け落ちてしまいます。
この歯周病の原因となっている歯周病菌は血液中に溶け込み、毒のように全身に回っていきます。
そして肺炎や糖尿病、果ては心臓病や脳卒中を引き起こすと言われています。
同時にすでにメタボの患者さまは歯周病を悪化させ、さらに心配される死を招く病気になる危険性を高めてしまいます。
歯周病を予防するということは同時にメタボを防ぐということにもつながっているのです。
メタボと歯周病を同時に予防
実はあまり知られていないこのような両者の切っても切れない関係、実はどちらかになってしまってから
治すよりは、どちらにも関係のないうちの予防の方が簡単だと言われています。
まずは食生活を含めた生活習慣を見直してみましょう。
睡眠の質、運動や喫煙習慣などを改めて見直し規則正しい生活にしていくことでリスクを低減することができます。
歯磨きチェックを怠らないようにしましょう。
長年一日数回続けている歯磨きは、なんとなく磨いた気になっていてその磨き方は自分流になっていることがほとんどです。
その磨き方を正しい理想的なものに近付けて歯周病菌の温床になる部分を管理することで、虫歯や歯周病などお口のトラブルを予防していきます。
そうすることでメタボと密接な関係を持つ歯周病菌をコントロールすることも可能だと言えるのです。
まずは食後の歯磨き習慣から、健康診断の習慣を身につけて行きましょう。
最後にとても簡単、経済的な食事の習慣です。
ともかくよく噛んで食べるということです。食事の時間が制限されていたり、テレビやパソコンの画面を見ながら、なんとなく食事を済ませていると噛む回数は減ってきます。
そんな「ながら習慣」を変えてよく噛んでいくと唾液が多く分泌されてお口の中の汚れや細菌を洗い流してくれるといいます。
唾液は天然の健康ジュースとまでいう先生もいるほどで、よく噛んで分泌された唾液が虫歯や歯周病、口臭予防に効果的だとされています。
良く噛んで食べれば、満腹中枢が刺激されることにより、食べすぎることもなく、メタボを予防することにもなるわけですね。
どちらかにかかってから慌てるよりは、まず今日から生活習慣を改めて予防をしていきましょう。
六本木にお越しの際は六本木の歯科・笠原歯科へご相談ください。