2019-08
歯磨きの力加減は?
歯磨きをする時、普段どんなことを気にしていますか?
磨くタイミング、磨く時間、回数や歯ブラシのこと、歯磨き剤についてなど、色々とありますね。
今回はブラッシングの力加減についてお話ししてみようと思います。
たくさんの患者様と触れ合って聞き取らせていただくと、多くの方は歯磨きの時力を入れすぎているように感じます。
過去に歯が削れてしみた経験があったり、歯科医院で指導を受けている方は力加減に気をつけているかもしれませんが、多くの方はゴシゴシしっかり磨く方が綺麗に磨けると考えているのではないでしょうか。
歯は体の中で一番硬い組織です。そのためナイロンの歯ブラシで1日数回磨いてもすぐに問題は起こりません。
もちろん長期的に力を入れて磨くと知覚過敏を起こして、アイスクリームや氷を口にできない、うがいが辛くなるなどの症状も出てきます。
歯の硬い組織は柔らかい歯ぐきが周りを覆っていて、その性質はまるで正反対です。
歯と歯ぐきが接しているあたりに歯周ポケットが存在し、一番細菌が多くあるため、どう磨くかがポイントになるわけです。
虫歯が気になってゴシゴシ力を入れて汚れをこすり落とすように磨き切れば良いと考えがちなのですが、虫歯を起こすのも歯周病を招くのも原因は細菌です。
そのためには細菌の棲家となる歯周ポケットを掃除できるようにすることが必須になってくるのです。
歯周ポケットは深さが4mm以上あるため、力をかけずにブラシで汚れをかき出すようにマッサージする必要があります。
歯ブラシより小さく複雑な形をした歯が並んでいるのですから当然動きは小さめにします。
歯ブラシを持つ手の爪の色が白んでいたら力をかけすぎのサイン。
もっと優しく細かく磨いてくださいね。
歯並びの乱れているところは歯ブラシを縦にして優しく磨きます。
これも力を入れてしまうと歯ぐきが後退します。
普段の歯ブラシ圧で、手の甲や腕の内側で試しに磨いてみてください。
表皮と呼ばれる皮膚表面でさえちょっとの摩擦で痛みを感じるのであれば、普段の歯ブラシは歯茎にとっては厳しいものになります。
どうか優しく痛みを感じない力加減に調整してみてくださいね。
目安は100g程度だとか。
はかりに歯ブラシを置いて適切な力加減を知るのもよいでしょう。
歯ブラシが固いものならさらに刺激は強まります。歯ぐきのそばを良くみて、優しく磨けるよう練習していきましょう。
特に男性は力が強くなりやすく、動きも大きくなりがちです。えんぴつを持つようなペングリップという方法で細かな動きを習得してみてくださいね!