2020-12
歯石には種類がある?
歯石とは?
「歯石」とは、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが歯垢に沈着(石灰化)して、石のようにかたく歯にこびりついたものをいいます。
いわば、むし歯菌や歯周病菌など細菌のマンションです。
歯石は、歯垢が歯に付着した状態が長く続くと形成されます。
個人差もありますが、2~14日ほどで歯垢の石灰化が始まり、次第に大きくなっていきます。
歯石の種類
歯石は、歯肉より上の部分に付着している歯石(歯肉縁上歯石)と、歯肉より下の部分(歯肉の中の骨の周りに付着・歯肉縁下歯石)に付着している歯石があります。
縁上歯石
・黄白色、灰白色
・目で確認できる
・プラーク(歯垢)が原因
・歯茎のラインに沿った場所に付着する
・縁下歯石に比べると量が多く、形成が速い
・縁下歯石より軟らかく、比較的簡単に除去できる
・歯茎が腫れる歯肉炎の原因になる
縁下歯石
・歯周ポケット(歯茎の溝の中)に隠れているので見えない
・血液や、歯周病菌が出す物質により黒褐色
・歯周病が進んだ方に多く見られる
・縁上歯石よりかなり硬く、除去が困難
・細菌が出す毒素が歯槽骨を溶かし、歯周病の原因になる。
歯石の除去・予防方法
歯垢は、歯みがきや歯間清掃用具(デンタルフロス)などで除去できますが歯石に変化してしまうと、歯科医院等で歯石除去(スケーリング)を受けなければ取り除くことはできません。
また、歯肉縁下歯石はご自身で気づくことは困難で、歯周ポケット内に生息する細菌の住み家となるため、放置しておくとどんどん歯周病が悪化していきます。
歯科医院では、スケーラ-という専用の器具を使用し、歯にこびりついた歯石を丁寧に削り取っていきます。
歯石のなかには、歯周病菌だけでなく大量のむし歯菌も潜んでいますので、歯石を除去すれば、虫歯予防にもなります。
歯石は、きれいに除去をしても時間の経過と共にまたできてしまいます。ため込まないよう、3ヶ月に一度は歯科医院でお口のクリーニングを受け、清潔に保ちましょう。