デンタルニュース
歯周病と全身疾患
お口の中の病気は大きく分けて虫歯と歯周病がありますね。
どちらも避けられたら、と歯磨きを頑張ったり、予防歯科などという言葉に興味を持って通院をされる方も増えてきました。
以前は歯槽膿漏と呼ばれていた歯周病ですが、あごの骨を溶かすだけでなく、体のさまざまな疾患と大きな関係があることが昨今わかってきました。
よく高齢の方の入院時に、入れ歯をお預かりしてしまうことで食事や会話が円滑にできなくなり、急速に動作の衰えが生じてしまうことがあります。
また口内環境の悪化により肺炎などの原因にもなり得ることから、少しずつ口腔ケアという分野も拡大されてきました。
そういったことからもすべての年代の方において口の健康、噛むことの大切さなどお口の中の環境が全身と関わっていることが叫ばれてきています。
身体の病気と関わりがあるといわれているのは主に歯周病の原因菌です。
歯周病菌は具体的に脳血栓や脳梗塞、心筋梗塞や糖尿病などと密接な関係があるようです。
血液を凝固させやすく血のかたまりがつくられやすいとか、血管を硬くする等の報告があり、糖尿病においては相互に悪化の相関性があるとされています。歯ぐきの様子が悪いと糖尿病が悪化しやすく、糖尿病はまた、歯ぐきに炎症を引き起こす要因となる、というように切っては切れない関係があるのです。
また妊婦さんに関しては喫煙リスク以上に子宮収縮の心配があり、早産や低体重児出産のリスクを促す関係があることが言われています。
また女性ホルモンにより歯茎に炎症を及ぼすため、お口のケアが切り離せない重要な時期だとも言えます。
お口は体内へ繋がる大事な入り口です。
健康のために良いと言われるサプリを購入して飲みながら、お口の中で歯周病菌を増やしていては全く意味がないですよね。
つまようじの先端にわずかに付着するお口の汚れのなかは、数億の細菌がいるといわれています。
正しい歯磨きが細菌の数を減らすためにいかに効果があるかイメージしやすいでしょう。時々歯科医院で行うクリーニングも汚れの絶対数を確実に減少させるチャンスになります。
その方、その時期にあった正しい歯磨きを歯科医または歯科衛生士に教わるといいですね。
お口の中がさっぱりするだけでなく、健康につながるケアなのだとわかれば価値のある機会だといえます。
虫歯や歯周病など、お口に限られた病気だけに注意するのではなく、その病は体全体につながっていく器官だと意識してお掃除をしていけると良いですね。
これからの時代は、お口の環境コントロールが全身疾患の治療の一つになっていくのだといえるかもしれません。
親知らずのはなし
お口のなかに「おやしらず」は何本ありますか?
親知らずは智歯ともよばれ、英語でwisdom teethと言います。親も知らない、気づかないような時期にゆっくりと生えてくるのでこんな名前になったとか。
お口の一番奥に生えてくるので、第三番目の大臼歯ということになります。
上下左右、それぞれに4本生える可能性があります。
全部が生えてくる人もいれば、数本しか生えてこない方、またまっすぐに生える人もいれば、斜めに生えてくる人、一部しか見えない人など状況は様々です。
子供の歯から大人の歯に生え替わるときには、ずいぶんと喜ばれたりしたものですが、親知らずに関しては反応が全く違いますね。
みんな顔をしかめたり、既にいやな経験をされたのを話してくれる方もいます。
現代人はあごが細くなって歯が生えるスペースがなくなったから、進化の段階で親知らずが4本ある人もいればもともと無い人もいるし、生えてこないケースもある、なんてこともいわれますね。
いずれにせよ本数の話より、まっすぐ生えていないという状況はトラブルがおきやすく、やっかいな事になっている方が多いのが現状です。
骨から歯が生えきるまでは歯が成長しようとするので、勢いがあるために隣の歯を押してきたり、歯並びが変わった気がする、と話される方もよくいます。
歯が歯ぐきから顔を出した途端、歯の周りにポケットが存在しますのでお手入れが必要になってきますし、その結果次第で歯ぐきが腫れてしまい、ひどい痛みを経験する方も少なくありません。
なんだか憎らしい存在のようにも思えてきますが、生えてくるとケアが難しくなるのは確かですし、その結果親知らずを虫歯にしてしまったり、最悪の結果は大切なその前の歯を虫歯にしてしまうことです。
まえから7番目の歯までは、噛むためにとても大切な働きをしています。
そのため親知らずのせいで大事な大臼歯を失うことは避けたいのです。
歯磨きが難しい上あごの親知らずや、斜めに生えている親知らずなどがある場合はしっかりと磨いて共存の道を選ぶか、リスクを減らすためにあえて抜歯をえらぶのも一つだと思います。
いずれにしても今のお口の中に親知らずがあるのかどうか、どんなふうに生えてきているのか把握できていない人も少なくないので、よく観察してみましょう。
虫歯予防のセルフケアを見直そう!
歯ブラシについて
・歯ブラシの種類
歯ブラシには沢山の種類があります。自分にあった歯ブラシの種類を歯科衛生士に相談しましょう。ブラシの堅さ柔らかさ、ヘッドの大きさ、歯間ブラシなどの補助歯ブラシなど、歯や歯茎の症状にあわせて使い分けましょう。
・歯ブラシの交換時期
毛先がひらいたら交換時期だと思っている人が多くいらっしゃいますが、毛先に関係なく、一ヶ月経ったら交換しましょう。虫歯菌を磨く歯ブラシには、お口の中の無数の細菌が付着しますが、それを水洗いだけで落とすことは出来ないからです。歯ブラシの交換を忘れないよう、毎月決まった日を『歯ブラシ交換デー』とし交換してはいかがでしょうか。
歯磨きについて
・歯磨きはいつする?
歯磨きは、朝起きてすぐに1回、そして毎食後3分以内に一日3回行うのがベストです。睡眠中は唾液の分泌が少なくなり、虫歯菌が活発化するので就寝前は念入りに。きちんと歯を磨いているつもりでも意外に磨けていないのが、奥歯のかみ合わせ、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間ですので重点的に磨きましょう。
・歯磨き粉の種類は?
フッ素入りの物がお勧めです。日本の歯磨き粉の90%以上はフッ素が含まれています。界面活性剤が入っている歯磨き粉は、泡立ちやすく磨いた気になってしまうので、3分間は磨く習慣をつけましょう。
・液体歯磨きや洗口剤を使おう!
歯磨きの効果をさらに高めるため、液体歯磨き(デンタルリンス)や洗口剤(マウスウォッシュ)を使用する人が増えています。
液体歯磨き(デンタルリンス):練り歯磨きの代わりに使うもので、液体なのでお口の中の隅々までいきわたる特徴があります。歯磨きの前に使ってから歯を磨きます。洗口液ではないので歯磨き後はお水で口をすすいでください。
洗口剤(マウスウォッシュ):歯磨きとは関係なく、お口の中をすっきりとさせるものです。歯磨きの仕上げとして使用したり、お口の中がすっきりしない時に使いましょう。使用後、お水で口をすすぐ必要はありません。
・デンタルフロスと歯間ブラシ
デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助歯ブラシは、普通の歯ブラシでは届かない歯垢を取り除くことができます。人によって合う道具や大きさは違いますので、六本木・笠原歯科の歯科衛生士にご相談ください。
きれいな歯で、素晴らしい新年をむかえましょう!
歯磨き粉について
歯磨き粉、歯磨きペーストについて、質問を受けることがあります。
近年歯磨き粉に入っている成分も目覚ましい進歩を遂げ、随分と効果の高いものが取り扱われています。
歯磨き粉の成分にはどんなものがあるか、ご存知ですか?
歯磨き粉を使いやすくペーストの状態から口に広がり使いやすくさせる湿潤剤、成分を均一のペーストにまとめるための粘結剤、汚れを浮き上がらせて落としやすくする発泡剤、歯を傷つけずに汚れを取る、研磨剤や、すっきり爽やかに感じさせたり、子供用に特別なフレーバーのある香味剤、虫歯予防に効果的なフッ素や薬品などの薬効成分、歯磨き粉の変質を防ぐための保存料などがあります。
歯磨き粉のパッケージに書かれているのでぜひ見てみましょう。
これらの成分がそれぞれに働いて、お口のトラブルを防いでいるわけです。
目的も、エチケットを重視するもの、歯ぐきの炎症をおさえるなどの歯周病対策のためのもの、タバコのヤニや着色などを取り除いたり、防ぐもの、フッ素を配合した虫歯予防に特化したもの、歯の黄ばみを防ぎホワイトニング効果を期待するものなど、たくさんあります。
これらの有効な成分が、魅力だとしてたくさん歯磨き粉を使うと、配合されている研磨剤によって歯が削れてしまい、しみることがあります。
また清涼感があるので、磨けていないのに、磨けているような気になってしまうという落とし穴があります。
長く磨こうとすると、口の中が泡だらけになって長く磨けないというデメリットもあります。
このような理由から歯磨き粉は優秀に進化していますが、使用量はごく僅かで、と指導することもあります。
また歯科医院で売っている歯磨き粉と市販の歯磨き粉の違いを尋ねられることもあります。
これはおもにフッ素などの医薬品に相当する材料の含有量の違いから、歯科医院で取り扱えるものとドラッグストアなどで取り扱えるものが分かれています。
フッ素配合といっても歯科医院であれば900ppmという濃度を含むものもあり、これは虫歯予防にかなり効果を期待できる量だと言えます。
スーパーなどで扱うものは純度や濃度などがまばらであったりするので同じ効果を期待することはできないと言えるでしょう。
歯磨き粉はすでに4世紀ごろのエジプトで塩やこしょう、アイリスの葉っぱを混ぜた粉などを使用したという記録もあり、人間の尿に含まれるアンモニアが歯を白くするのだと言われて使われていたとか。
アメリカでも焦がしたパンを歯磨き粉として使ったという話も残っています。
1900年ごろにはペーストタイプの歯磨き粉が発売されたといい、チューブに入った現在のような形状の歯磨き粉はアメリカのコルゲート社が1896年に販売したのが始めだと言われています。
日本では1600年を過ぎたころ、漢方薬を混ぜたものが歯磨き粉として販売されていた記録が残っています。
江戸の庶民もこれを使って歯ブラシのような房のついた楊枝で歯磨きを行っていたのだそうです。
そんな古い歴史を感じながら、今日から歯磨き粉を選びながら歯ブラシタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
入れ歯のケア、できていますか?
今回は、入れ歯のケア方法についてお話していきます。
正しい入れ歯のケアができていると、お手入れに自信がある方はどれだけいらっしゃるでしょうか。
今入れ歯を使っている方は普段のお手入れ方法を思い出してみていただければと思います。
自分の体の一部のように愛着を持ってお手入れしていただいていれば、とてもうれしいのですが、保険であれ、自費であれ入れ歯はオーダーメイドです。
ぜひ正しいケアをして長く大切に使っていただきたいものです。
まず、入れ歯を入れるとき、丁寧にお口に入れて合わせていますか?
慣れてくると噛んで装着する方がいますが、噛む力は想像以上に大きいのです。
入れ歯が折れたり、入れ歯を支えるバネが欠けたりすることがあります。
どうか、優しく指で押して装着してください。
入れ歯自体は、いく ら人工のものだと言っても長い時間お口の中に装着するものですので、衛生的な管理をしていただきたいと思います。
入れ歯を装着していると健康な歯と同じように食べカスやプラークなどが付着します。
それが繁殖し、においの元となっていますし、義歯性の口内炎の原因になっていると言われています。
お口が入れ歯によって傷つきやすい、なぜか口内炎ができるという方は症状をひどくしないためにも、また予防のためにもこまめなお掃除を心掛けてください。
お掃除には入れ歯専用の歯ブラシと入れ歯の洗浄剤、就寝時などに保管するためのケースが必要になります。
お口の中のものということで、歯磨き粉で洗っているという方もいるのですが、歯磨き粉の中の研磨剤の成分で入れ歯に見えない傷を多数作ってしまいますので使わないでください。
食後はできるだけしっかり洗浄して、入れ歯特有のにおいを防いでさっぱりとしたお口で過ごしてほしいものです。
外出時であれば、公衆の場で入れ歯を外して洗うのは抵抗があるとは思いますが、エチケットのためにもタイミングをみ てお掃除して欲しいと思います。
寝る前には歯ぐきを休めるためにも入れ歯はきちんと外して洗浄剤を入れて保管してください。
例外的に医師から就寝時に入れ歯を入れておくよう指示されることもありますが、指示が無いときには眠る間は歯ぐきを休ませてあげてください。
長い時間入れ歯が歯ぐきを覆って、噛む力を受け止めているので、歯ぐきは予想以上に疲れているのです。
もちろん入れ歯自体は虫歯になりませんが、入れ歯を支えるバネがかかるご自分の歯は今まで以上に汚れがつきやすくなっています。
部分的に入れ歯を入れている方は、他に残っている大切なご自身の歯をケアしていただくことも大切です。
残っている歯は、入れ歯を支えるために常日頃、揺らされたり、力を必要以上に受け止めたりして、とても大きな負担がかかっています。
たった一本、されど一本、歯を抜くことになると入れ歯の形が大きく変わってくることがあり、予想以上の心理的な負担や抵抗があることがあります。
ご自身の歯に勝るものはなく、咬むためにかかる大きな力を分散、支持するためにも入れ歯には理想的な形があります。
入れ歯の方が楽だ、とおっしゃる方も中にはいるのですが、多くの方は違和感、痛みと付き合いながら生活しています。
残っている歯はどうか大切にしてください。
入れ歯を作れば永久的に使えるというわけではありません。
噛む面がすり減ったり、破損した場合には作り替えたり修理し、お口の中の状態に合わせて調整をしながら使っていきます。
体調の変化などで違和感を感じた時には歯科医院で調整をしてもらい、快適に過ごしていただきたいと思います。
歯は語る
東日本大震災において、身元の判明に歯科領域での判断が有効だったことが知られています。
多くの犠牲者を出したこの震災で、助かった方の口腔ケアだけでなく、残念ながらお亡くなりになられた方身元を判明するためにも多くの歯科スタッフが現地に赴きました。
その判定作業はとても大変なもので、死後硬直のあるご遺体と向き合う作業は辛かったと聞きます。
似たようなケースで殺人事件などがあって身元が分からない時、歯科医院に問い合わせがあることがあります。
どうやって身元の判明をしているかご存知ですか。
歯の数や生え方、方向や根の長さ、支える骨の状態や治療痕などが情報になります。
何番目のどこの歯にこんな治療をした記録の残っている患者さまは誰か。というような探し方です。
ご遺体のお口の情報を書き出して、歯科医院に照会すると身元が分かるということです。
実は歯は生前のその人の生活をしっかりと伝えてくれる組織の一部です。
飛行機事故などでご遺体の損傷が激しくても歯が残っていたために身元が判明することもよくあります。
骨と歯が一部残っていれば、年齢もだいたい推測できます。(もちろんDNA鑑定もありますしね)
歯の汚れ具合から喫煙者か、非喫煙者か、顎や歯の状態からだいたい性別などもわかります。
周辺組織の状態から歯磨きの程度、状態そこから歯への関心度の判断もできます。
何年くらい歯医者さんに来なかったかもわかるんです。
古代エジプト人が食べていたパンに砂が多く含まれていたということがわかったのもミイラの歯の鑑定によるもの。
時に化石となった恐竜の生活状況まで読みとることができるなんてびっくりしませんか。
草を好んで食べていた恐竜がどれだとか、歯の減り具合から恐竜が歯ぎしりをしていたなんていう習慣についても簡単にわかります。
ティラノサウルスが歯に詰まったものを掃除していたって知っていますか?
こんなふうに人間だけでなく、動物の生活習慣も手に取るようにわかるので、歯ってとても面白いんです。
サメなどは多歯性といって、水族館などで歯が水槽の下に沢山落ちていたり、旅行先のビーチでネックレスになっていたりするのですが、このように沢山歯が抜けては生える動物もいます。
生き物の歯の形でどんなものを餌としているかというのも推測ができる点も面白いところ。
なので治療の前の日だけに一生懸命みがいてきた人はもちろんそれがバレてしまいますし、まじめにまじめに歯磨きを長年続けていらした努力家の方も歯を見れば一発で見抜けます。
患者さまが何もおっしゃらなくても私たち歯科スタッフはなるほど、と歯から沢山の情報を読み取っています。
歯科医院の器具、保管管理あれこれ
歯科医院が大好き!という方は非常に少ないと予想するのですが、これを読まれているあなたはいかがでしょうか。
これを知ったら歯科医院が好きになるというわけではないと思いますが、苦手な歯科医院で使われている器具やその消毒、管理方法について今日は説明してみます。
まず「お口を開けてくださーい」というドクターの手にあるのは、お口を明るく照らすライトの光を反射させたり、映してみたりする「ミラー」があります。
頬の粘膜を広げたり、舌をよけたり、削る機械から保護したりしながら使います。
他には「探針(たんしん)」という針のようにとがった器具もあります。これで詰め物やかぶせもの 、虫歯の状態を探ってみます。
針のようにとがっている先っぽでそれらを触ると、硬さや状態が私たち歯科スタッフに良く伝わって来るのです。
おなじみのピンセットもあります。これは小さなお口の中に薬品や詰め物、治療で使うものなどを確実に運んだりするために使います。
お口にたまった唾液や、削った時に出る水や金属の破片を吸い取る管をバキューム管といいます。
先生が持っている歯を削る機械では、エアタービンと呼ばれるものや、低速で切削していくエンジンとよばれるものなどがあり、ユニットと呼ばれる歯科の治療台からつながっています。
回転しながら歯や金属を削っていくので治療後にはオイルを挿して滅菌・保管をしています。
ほかにもいろいろな器具があるのですが、たいていのものはステンレスでできていて、患者さまごとに121度か132度に設定されたオートクレーヴと呼ばれるの高温の蒸気滅菌機にかけて衛生的に保たれます。
プラスチックなどでできているものは特別な薬品に漬けて消毒したり、アルコールで拭きとり消毒したりします。
その後、紫外線滅菌箱と言われる青い光をだすライトの下で保管されていることが多いです。
対象物の素材や用途に合わせ、適した消毒、滅菌を行い、厳しく管理しています。
なぜなら血液や唾液を介して感染する病気も多く、歯科医院での治療はそれらを多く扱うからです。
私たちスタッフがマスクや手袋を着用しているのもエチケットより、実は感染予防の観念からです。
大きな手術の時は、歯科医院でも帽子や緑の手術着を着て行うこともあります。
通常の治療でそこまで重装備だと、患者さまはびっくりしてきっと構えてしまいますよね。
でも歯科医院によっては、白衣も滅菌をしてから着用しているところもあったり、みなさんが座っているチェアという歯科治療のための椅子や、履いているスリッパも、衛生的に管理された水や薬品で拭いているところを見るかもしれません。
なんとなく30分から1時間ほど 座って滞在されている歯科医院でも、実はこのような衛生管理がいろいろと行われています。
患者さまが安心して治療を受けられるように、六本木の笠原歯科のスタッフは常に勉強を続け、衛生的な環境を提供できるようにしています。
デンタルフロスでお手入れ
デンタルフロスでお手入れをしましょう
歯磨きをするとき、歯ブラシ一本しか使いません。という方はこのところ少なくなってきています。
歯科医療従事者としてはとても嬉しいことなのですが、それでも正しい使い方がわからないとか、自分に合う道具がいまいちわからないままいらっしゃる方も少なくありません。
今回はデンタルフロスに焦点を当ててお話していきましょう。
歯ブラシ以外のお掃除用具のことを補助用具と呼んでいます。
特にアメリカやフィンランドなど歯科予防の先進国と呼ばれる国では、デンタルフロスと歯ブラシをセットで使用しているケースが習慣になっています。
デンタルフロスは、歯と歯の狭い空間を掃除する為に作られている細い糸のことです。
これを使うと、歯ブラシでは届かない歯と歯の狭い空間を効果的に掃除することができるのです。
デンタルフロスにも種類があります
デンタルフロスといっても実は多くの種類があります。
まずはその形状として、ハンドルがついていて握りやすく、お口の中に入れやすいメリットがあります。
そのハンドルにもいくつもタイプがあります。
初めての方や子供、手先を動かしにくい方がこのハンドルタイプを使ってみると、フロスを使うことに慣れてくるでしょう。
ただ、ハンドルタイプの場合は使用する糸は交換できないのでマメに新しいものに交換する必要があるため、コストがかかるかも知れません。
他にはお裁縫の糸のように巻いて売られているものがあります。
これは毎回使い捨てになりますが、衛生的であるという点でとても優れています。
フロスの使い方に慣れてくれば、こちらの方がコスト面でもオススメできます。
デンタルフロスの糸、そのものにも用途に分けて様々な種類があるのでご紹介していきましょう。
≪ワックスタイプ、ノンワックスタイプ≫
ワックスタイプは、糸の繊維自体にワックス加工がしてあります。使用するときに糸がほつれにくくなっています。
併せてワックスのおかげで歯の間を滑らかに通過し、引っかかりが少ないので初心者にお勧めのタイプです。
ノンワックスタイプは、その反対にワックス加工がしていないので、狭い歯の間で糸が広がりやすい特徴があります。
その分、汚れを多く取り除くことができます。
しかし、歯と歯の間にわたる詰め物やむし歯がある場合には、引っ掛かりが多く使いにくくなってしまいます。
また、歯並びによって歯の間隔が狭すぎる場合にも糸が広がりやすいため、通しやすいというメリットがあります。
≪テープタイプ≫
他に形状が糸ではないものとしてテープタイプと呼ばれるものがあります。
テープ状のフロスは糸の形状ではなく、平べったいテープのような形をしているものです。
糸に比べて、一度に多くの範囲を磨くことができるのが特徴となっています。
硬いものではなく、柔らかく作られているので被せ物や、治療後特に必要とされるケースにドクターから勧められることがあるかもしれません。
≪スーパーフロス≫
他にはスーパーフロスタイプとよばれる便利なフロスもあります。
少々コストはかかるのですが、ブリッジがあるかたにはとてもオススメのフロスです。
このフロスは両端がとても細く固めに作られていて、まるでお裁縫のように連結されている隙間から差しこむことができます。
そのため、どうやって磨くのかな?と疑問に思われていたような歯と義歯の床や、ブリッジの支え周辺の手の届かない部分をきれいにすることができます。
サイズもいくつかあるので、自分の隙間に合ったものをえらんでみるとよいでしょう。
正しいデンタルフロスの使い方
巻きで売られているデンタルフロスは使い方をよく知らない方が多いのが事実。
慣れるまでに少々時間がかかりますが、ぜひ覚えてみてください。
容器からフロスをだして、肘くらいまでのながさ40~50 ㎝程度で切りましょう。
諸説ありますが、親指と人差し指で、1.5 ㎝くらい間を開けてフロスを持ちます。
フロスをゆっくり歯と歯の空間に入れて、歯の側面にこすりつけるように糸を2~3 回上下させてみましょう。
大きな動きは歯ぐきを傷つけてしまうので優しく、無理に動かさないようにしましょう。
わからないことがありましたら、六本木の笠原歯科へご相談ください。
歯周病とメタボリック症候群
歯周病とメタボリック症候群、意外な関係をご存知ですか?
テレビや食料品店、でも「メタボ」という文字を見かけない日はありません。
お茶やジュースなど口にするものから、健康診断にもメタボリック専用の検診なども登場しています。
メタボについて詳しくご存じでしょうか。
そもそもメタボリックな状態というのはただの肥満の状態とは違います。
肥満は洋ナシ型とリンゴ型に分けられていて、内臓の周囲を脂肪が取り囲むように付いている状態をリンゴ型肥満と呼んでいます。
とくにウエストが女性で90cm、男性の場合は85cm 以上ある方は気をつけなければなりません。
その脂肪がついている内臓脂肪は高脂血症、肥満症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を招きやすくします。
これらの状態が重なると血液がドロドロになっていき、血管がつまり易くなると言われています。
この様子は動脈硬化と呼ばれていて、脳卒中や心臓病など命にかかわる病気につながっており、大変危険な状態だとして、メタボリックシンドロームと呼んでいます。
メタボについて、理解が深まったところで歯周病と関係があるということについて
説明していきましょう。
歯周病は口の中の細菌が歯茎に炎症を起こし、最終的にあごの骨の歯槽骨という部分を溶かします。
土台が溶かされて支えの無くなった歯は結果抜け落ちてしまいます。
この歯周病の原因となっている歯周病菌は血液中に溶け込み、毒のように全身に回っていきます。
そして肺炎や糖尿病、果ては心臓病や脳卒中を引き起こすと言われています。
同時にすでにメタボの患者さまは歯周病を悪化させ、さらに心配される死を招く病気になる危険性を高めてしまいます。
歯周病を予防するということは同時にメタボを防ぐということにもつながっているのです。
メタボと歯周病を同時に予防
実はあまり知られていないこのような両者の切っても切れない関係、実はどちらかになってしまってから
治すよりは、どちらにも関係のないうちの予防の方が簡単だと言われています。
まずは食生活を含めた生活習慣を見直してみましょう。
睡眠の質、運動や喫煙習慣などを改めて見直し規則正しい生活にしていくことでリスクを低減することができます。
歯磨きチェックを怠らないようにしましょう。
長年一日数回続けている歯磨きは、なんとなく磨いた気になっていてその磨き方は自分流になっていることがほとんどです。
その磨き方を正しい理想的なものに近付けて歯周病菌の温床になる部分を管理することで、虫歯や歯周病などお口のトラブルを予防していきます。
そうすることでメタボと密接な関係を持つ歯周病菌をコントロールすることも可能だと言えるのです。
まずは食後の歯磨き習慣から、健康診断の習慣を身につけて行きましょう。
最後にとても簡単、経済的な食事の習慣です。
ともかくよく噛んで食べるということです。食事の時間が制限されていたり、テレビやパソコンの画面を見ながら、なんとなく食事を済ませていると噛む回数は減ってきます。
そんな「ながら習慣」を変えてよく噛んでいくと唾液が多く分泌されてお口の中の汚れや細菌を洗い流してくれるといいます。
唾液は天然の健康ジュースとまでいう先生もいるほどで、よく噛んで分泌された唾液が虫歯や歯周病、口臭予防に効果的だとされています。
良く噛んで食べれば、満腹中枢が刺激されることにより、食べすぎることもなく、メタボを予防することにもなるわけですね。
どちらかにかかってから慌てるよりは、まず今日から生活習慣を改めて予防をしていきましょう。
六本木にお越しの際は六本木の歯科・笠原歯科へご相談ください。
歯がしみるのはなぜでしょう
歯がしみるのはなぜでしょう
お口の悩みで意外と少なくないのは歯がしみるというトラブル。
歯が痛いと感じる人もいれば、しみると感じる人もいるようです。
どんなときにしみると感じるのでしょうか。
たとえば冷たいものを口にした時。アイスクリームや冷たいお水などの飲み物。
ときどき歯ブラシの毛先が当たるだけでそう感じることもあります。
心配してお口をのぞいてみてもいつもとなんら変わらないような気がして歯科医院を訪れる方もいらっしゃいます。
夏に冷たいものを多く口にしたり、冬にスキー場で感じた!なんていう人もいます。
この症状は知覚過敏と呼んでいます。
なぜ知覚過敏が起こるのでしょうか。
歯の表面は身体の組織の中で最も硬いエナメルというもので覆われています。
歯を見て目で確認できる白い表面部分がエナメル質です。
その硬いエナメル質はその下にある象牙質という比較的柔らかい層を保護しています。
象牙質と呼ばれる組織の中には象牙細管という管があり、とても細い管の中は液体が存在しています。
この象牙細管中の液に、歯の神経が細く伸びて浮遊しています。
人の体温はおおよそ36度から37度ほどでお口の中も同じくらいの温度になっています。
この口の中に冷たい液体や、時には冷たい空気が入り込むことで温度差が生じるのです。
その時象牙細管の中が温度差により縮んで体積の変化を起こし、浮遊している神経の管が動きを感じて、しみるという感覚を起こすというわけなのです。
要するにお口の中の急激な温度変化によって、しみるという感覚が起こるということなのですね。
知覚過敏の原因は何でしょうか。
歯磨きの時の力が強くて歯のエナメル質が削れていると、薄くなったエナメル質が敏感な象牙質を守り切れずにしみる感じがするのですね。
適正な圧で正しい歯磨きができるよう、歯科医院で指導を受けましょう。
開いた歯ブラシでは歯ぐきに傷を与えたり、力のコントロールができず歯の削れる原因にもなります。
また、くいしばる癖のあるかたは歯ぎしりをすると歯軋りやくいしばり、寝ているうちに歯ぎしりや、くいしばりをしていると次第に歯がすり減っていきます。歯がすり減ってしみるように感じることがあります。
むし歯はエナメル質から次第に象牙質に進んでいきますので神経近くに達するとしみたり痛みとして感じます。
歯ぐきの病気になると歯を支える骨が薄くなってきます。歯が長く感じてきたら根が出てきている証拠。
根っこは普段歯茎で守られている場所なので、丸裸になった歯はしみやすくなります。
傷を受けたエナメル質が割れたり削れたりしたとき、神経に温度刺激が伝わって痛みやしみるという感覚になります。
しみる症状を防ぎたい
上にあげた知覚過敏の原因のうち、もっとも一般的に多いのは間違った歯磨きによるものです。
知覚過敏になりたくないと思いながら、自分で知覚過敏にしてしまっているという悲しい状況です。
粒の入った歯磨き粉は特に歯が削れやすくなりますし、大胆にゴシゴシ汚れ落としをするような磨き方では毛先が広がるだけで汚れは落ちにくく、周囲を傷つけるだけです。
一時的ではありますが、知覚過敏用の歯磨きを使うと症状が落ち着きます。
根本的な解決にはなっていませんので検診時に相談をすることをお勧めします。
刺激に耐えられないほどの知覚過敏になっている場合には歯科医院で治療を受け、正しいブラッシングを身につけることで回復できます。
毎回刺激を与え続けていると神経がダメージを受けてしまったり、広がった虫歯を放置することなどにつながってしまいますので、違和感を感じた時点が受診時だと考え、六本木の笠原歯科へご相談ください。