デンタルニュース

お口の健康が健康寿命を延ばす

今年の「歯と口の健康週間」(6月4~10日)の標語は「いただきます 人生100年 歯と共に」です。
超高齢化社会の日本では、健康上の問題で制限されることなく日常生活を送ることのできる期間である「健康寿命」をいかに延ばすかが課題となっています。

厚生労働省の「健康寿命の令和元年値について」によると、令和元年平均寿命は男性81.41年、女性87.45年、平均寿命と健康寿命の差は男性8.73年、女性12.06年でした。
この期間の短縮に大きく影響するのが、口腔機能であることがわかっています。

オーラルフレイルとは

「オーラルフレイル」とは歯や口の機能が衰えた状態のことを言います。
健康な状態と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」と呼ばれる段階があります。オーラルフレイルは、「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔機能が加齢などにより衰えることが原因です。

初めは、食べこぼしや軽いむせ、固いものが噛みにくい、滑舌の悪化などの症状が現れます。
その後は、噛めないものが増える→やわらかい物を好んで食べる→噛む機能が低下していく…という負の連鎖によってどんどん悪化していってしまうのです。

そして、慢性的な低栄養によって筋肉量が減少して歩行困難になる「サルコペニア」という状態になり、やがて、骨、関節、筋肉、神経など、運動に必要な身体機能が低下し、立ったり歩いたりできなくなる、「ロコモ」という状態になってしまいます。
口腔機能の衰えが全身の老化に繋がってしまうのです。

オーラルフレイルの状態を早期に発見して対策をとることが大切です。

オーラルフレイルを予防しよう

パタカラ体操
お口の周りの筋肉を鍛える体操です、『大きな声で、一文字一文字ハッキリと!』これを毎日食事の前に行いましょう。
①「パ」…唇をはじくように
②「タ」…舌先を上の前歯の裏につけるように
③「カ」…舌の奥を上顎の奥につけるように
④「ラ」…舌をまるめるように
各発音 8 回を 2 セット
他には、食事は1日3食よく噛んで食べ、人と積極的に会話をし、歯科医院で定期健診を受けましょう。
いつまでも元気に過ごせるよう、できる事から初めてみてください。